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点字つきカレンダー(2) [点字]

点字つきカレンダーの続きです。
前の記事はこちら

点字では、数字は、「数符」という記号を使います。
数符のぶん、さらに1マス必要なので、一けたなら2マス、
二ケタなら3マス使います。(関連記事はこちら

でも、カレンダーでそのルールの通りに書くと、
せっかくの「小型サイズのカレンダー」が大きくなってしまうのでは…
という事なのでしょう、このカレンダーでは特殊な書き方をしていました。

点字が見えるでしょうか?
20170104Calendar4.jpg
上の写真は昨年のもの、
下の写真は今年のものです。
20170104Calendar5.jpg
点字がわかる方は、「あれ?この書き方、普通と違う」と気づかれたでしょう。
では、解説してみますね。

点字で数字の「1」を書く時は、
1マス目に3、4、5、6の点、2マス目に1の点を書きます。
一方、このカレンダーでは、1の点だけが書いてあります。
20170104tenji1.jpg
これは仮名の「あ」という文字なのですが、
『わざと数符を省略している』と解釈して、「あ」ではなく「1」と読み替えます。
(このような対応について、詳しくはこちらの記事の後半をどうぞ。

更に、1月の1日は祝日なので、それを表現するために、
「あ」だけではなく、次のマスに3の点が一つ、書いてあるようです。
普通の日と祝日の区別をつけるため、このような書き方をしているのでしょう。
20170104tenji2.jpg
形だけ見ると、仮名の「か」に似ていますが違います。
カレンダーはニマス使っているからです。

…と、私なりに解釈・解説してみました。
書物などでは、本来のルールには無い点字の書き方をする場合は、
事前に「凡例」を掲載する必要があります。(こちらの記事の後半参照
このカレンダーには凡例は無いですが、付けるとぶ厚くなってしまうし、
普段から点字を使っている人にはピンとくる書き方だと思いますので、
あえて付けていないのだと思います。

by くろうーろん

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点字つきカレンダー(1) [点字]

平成29年、2017年になりました。
新年にちなんで、カレンダーのお話です。

黒い背景に白文字のユニバーサルカレンダーは、
以前もご紹介した事がありましたね。(記事はこちら
20170104Calendar1.jpg
このカレンダーは、壁にかけて使うもので、
一辺35センチくらいです。

もっと小型のカレンダーもあります。
20170104Calendar2.jpg
二つ折りタイプで、幅20センチくらい。
上部にはきれいな風景写真、
下部のカレンダー(数字)部分には、点字も書いてあります。

写真ではよく見えないでしょうか…?
20170104Calendar3.jpg
カレンダーの日付の部分に、墨字(普通文字)とあわせて点字も書いてあり、
さらに、その下に、改めて祝日などがピックアップしてあります。
パッと全面を見る事ができない点字使用者には、有難い方式だと思います。

ん?
点字の数字の書き方が、ちょっと違いますね?
間違っているのではなく、独特の書き方のようです。
これについては、次の記事でご紹介しましょう。
その2へのリンク

by くろうーろん

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点字校正器がなくなる? [点字]

3年ほど前に、このブログで「点字校正器」のことを書いたことがありました。
点字を一つだけ打つことができる道具です。 →記事はこちら
点字校正器の写真

ふと気になって調べてみたら、もう、ほとんど売ってないんですね。
日本点字図書館の用具部では既に発売終了でした。
「在庫限り」で販売しているサイトはありましたが、ここに書くのは控えます。

もともと、点字印刷といえば、薄い亜鉛版を折って2枚にして、
2枚に同時に特殊な機械で点字を刻印して、
点字用紙を2枚の板の間に挟んで、プレスして作ったものでした。
(いずれ機械をご紹介しますね。)

この作り方では、原盤を修正するのも大変でしたから、
1点だけ書ける便利グッズが誕生したのでしょう。(多分。)

いま、点字はほとんどがパソコンで作られています。
修正も簡単にできます。
それで校正器は不要になったのかもしれません。

でも、当センターでは、手書きの点字用紙に点を書き加える時に
使っているので、まだまだ現役なんです。

壊れたら買い替えがきかないことがわかったので、大切に使わなければ!

by くろうーろん

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タグ:道具 点字

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本来の用途ではないのですが [点字]

お店で洋服や靴下などを買うと、値札やタグが、
細いプラスチック製の輪でつけられている事があります。

この細い紐には、タグファスナー、ループピン、
スナップロック、アンビタッチ…など、様々な呼び名があります。
(一般名詞なのか、商品名なのかわからないのですが…。)

こちらの写真は、まだ輪にしていない時のものです。
20161115 fastener1.jpg
細い紐の片方が、筒状になっているのがわかるでしょうか?
そこに反対側の先端を差し込むと、カチッとロックされて、外れなくなります。
「かえし」の細工がしてあるようですね。

センターではこの紐を、値札付け以外のことに使っています。
こちらの写真がそうです。、
20161115 fastener2.jpg
点字が書かれた用紙(主に印刷物)を、
ステープル(ホッチキスなど)ではなく、これでとめることがあるのです。

点字は手で読むので、どうしても紙が動いてしまい、
読んでいるうちに前のページがペラッと戻ってしまう事があります。
かといって、戻ってこないようにしっかり折り目を付けるとなると、
書いてある点を消してしまう可能性があるんですよね。

「輪でとめる」方法は、紙の端が折れ曲がらないし、
前のページをクルッと後ろに回してしまえば、
「めくったページが戻ってきて邪魔」という事もないので、
点字使用者に人気があります。

ただ、この方式だと、どうしても「どれが表紙だったっけ?」となってしまいます。
どちらかというとカジュアルな時に限られるかもしれません。

by くろうーろん

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タグ:便利 道具 点字

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点字のへふむ [点字]

以前、教則本に載っていない点字について書きました。
今回も、いわゆる「ローカル・ルール」の点字をご紹介しましょう。
それは「へふむ」です。
ただし、センター独自の超ローカルだと思いますので、使用時にはご注意を。

試験の出題形式に、「穴埋め問題」というものがあります。
墨字(普通字)では、穴を、かっこや四角い空欄で表現します。

点字の場合は、例えば、「しりょく」の次の言葉を出題するなら、
しりょく(ア)
…と書いて、アに何があてはまるか?と尋ねるとか、
20160226hehumu1.gif
しりょく ア.空欄記号
…と書いて、空欄に何があてはまるか?と尋ねることになります。
20160226hehumu2.gif
空欄記号(符号)とは、4マス使って、四角形を表現したものです。
1マス目 4、5、6 の点
2マス目 1、3、4、6 の点
3マス目 1、3、4、6 の点
4マス目 1、2、3 の点

さて、点字を書く時は、様々な配慮が必要ですが、
その中に「なるべくコンパクトに納まるように書く」という考え方があります。
以前ご紹介した「下がり数字」は、その典型でした。
記事はこちら

その考えでいけば、空欄の記号を、4マスよりも少なく出来ないか?と考える人がいてもおかしくありません。
「ヘフム」は、その考えから編み出された書き方なのです。

しりょく あ.へふむ
20160226hehumu3.gif
…と書くと、確かに、空欄記号と同じように四角形に見えますよね。
でも、点字使用者は、普通に「へふむ」と読んでしまいます。

ですから、あらかじめ、「ヘフムは、空欄記号のかわりです。」と伝えておかなければなりません。
つまり、ヘフムには凡例(※)が不可欠。
これが、冒頭に書いた「注意」です。

(※)凡例とは、この点訳ではせいりがくを『せい』と略して書きます、などと、
   本文に入る前に、事前に読み手に知らせておくことです。

by くろうーろん

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タグ:点字

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マイナンバー通知の点字 [点字]

皆さんのお手元にも、マイナンバーの通知は届きましたか?
そして、封筒に点字があることに、気づかれましたか?

封筒裏面の右下に点字があります。
20151126mynumber1.jpg
点字で「まい なんばー つーち
と書かれています。
20151126mynumber2.jpg
この事は、総務省のホームページでも紹介されていて、
『「まいなんばー
  つうち
 と点字されています』
と書いてあります。

点字をよく知らない方の中には、
「通知は、つーちではなく、つうちでしょう?」
…と、不思議に思われる方も、いらっしゃるかもしれませんね。

でも、実物の点字は、「つーち」と書かれているのです。
これは、「う」が長音で書かれる事があるという、点字独特の書き方です。
(全てを長音で書くのではなく、一定のルールがあります。)

恐らく、総務省のホームページでは、
点字のルールを知らない方への詳しい説明を省くために、
あえて長音を使わないで訳すことにしたのではないでしょうか。

それはともかく。
総務省のホームページの「点字されている」が気になる!
これ、いい表現ですね。
使ってみたいと思いました。
ただ、飾る意味の「展示する」と間違えられないようにしないといけないですね。

by くろうーろん

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点字で「ひやけどめ」 [点字]

残暑お見舞い申し上げます。
暑さが峠を越したとはいえ、まだまだ日差しが強い時がありますよね。
日傘を使う方も多いだろうと思います。

全盲の方の場合、白杖と日傘を同時に持つのはなかなか難しいようです。
(もちろんちゃんと持つ方もいます!)
そうなると、強い味方は、帽子と日焼け止めです。

私は全盲ではありませんが、日傘を壊してしまったので、
スプレー式の日焼け止めを購入して…、
ん?
20150801tenji1.jpg
プラスチック製のケースに、何か書いてありますね?
20150801tenji2.jpg
おお!
点字で「ひやけどめ」と書いてあります。
20150801tenji3.jpg
これはコンビニで購入したものです。
棚の同じ並びに、消臭スプレーや制汗剤など、似たようなスプレー缶が
並んでいましたので、見えていても間違えてしまいそうでした。

恐らく全盲の方は、誰かに「日焼け止めを買いたい」と伝えると思います。
頼まれた人が私のように「アレ?どれかな?これで良いのかな?」と
思ったとしても、全盲の方に手渡せは、レジにいく前にハッキリわかりますね。

以前も、点字が書いてある製品をご紹介した事がありましたが、
久々の遭遇、何だか嬉しくなりました。
ボトルの点字の記事はこちら カップのふたの点字の記事はこちら

by くろうーろん

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タグ:点字

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点筆の持ち方いろいろ [点字]

先日は、私が仕事で使っている「点筆」をご紹介しました。
点の筆と書いて、「てんぴつ」と読みます。(記事はこちら
今日は、その持ち方について。

ずんぐりとした独特の形状からして、
「ペンを持つのと同じ持ち方ではない」
ということは、皆さんおわかりになると思います。

基本の持ち方は、こちら。
(木製、大サイズの点筆を使用)
20150622-nigiri1.jpg
点筆のオシリ部分を、手のひらの、人差し指と中指の根元の部分に密着させ、
そのまま握りこみ、点筆の先を人差し指と中指の間から出しています。
(点筆の先を、中指と薬指の間から出す人もいます。)
つまり、グー(握りこぶし)の状態です。

ペンは、紙に対して斜めになるように持つ人が多いと思いますが、
点筆では、紙に対して常に垂直(直角)にしないと書けないので、
このような「グー」スタイルになります。

ただし、中途失明の方たちは、グーで書くのは抵抗があるようで、
実際には、こちらの(↓)持ち方が多いです。
20150622-nigiri2.jpg
人差し指を軽く点筆に沿わせて、握りこんでいます。
人差し指の延長上に点筆の先があるので、ペンで書く感覚と通じるところがあって、持ちやすいようです。

少数派ではあるのですが、手が小さい場合、
このように(↓)持つ方もいます。
20150622-nigiri3.jpg
点筆のオシリを親指の根元で固定して、小指と薬指の間から点筆の先を出します。
同じグーでも、小指側が点字用紙に接触する事になります。

点筆も色々なら、持ち方も色々。
という事ですね。

by くろうーろん

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点筆いろいろ [点字]

今日は私が仕事で使っている「点筆」をご紹介します。
点の筆と書いて、「てんぴつ」と読みます。

点筆色々
素材で分けると、プラスティック製と木製。
形で分けると、丸型と角型。
大きさで分けると、大・中・小。
普段使い用と携帯用、という分け方も出来ますね。

筆記用具が一種類ではないのと同じく、点筆にもたくさんの種類があります。
お値段も、点字盤にサービスでついてくる実質ゼロ円のものから、
300円台から1700円台まで、さまざまです。

自分の手に合わせて、しっくりくるものを使うのが一番ですが、
1700円のものを買ってから「合わなかった」となるのはもったいないですよね。
私は、点筆を買いたいという利用者さんには、これらの点筆を試してもらう事にしています。

あ、上の写真の左から三番目の木製大型点筆ですが、
「可愛い模様付きの物もあるのねー」というわけではなく、
私物なので、見分けをつけるためにシールを貼ってあります。
ただし、シールを貼ると点筆が持ちにくくなりますよ…。ご注意を。

by くろうーろん

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タグ:道具 点字

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点字の「およその数」 [点字]

これまで「教則本には載っていないけど、みんなやっている書き方」を
ご紹介してきましたが、今日は逆です。
「教則本に載っているのに、みんなやらない書き方」をご紹介します。

それは「およその数」の書き方です。
「にさんかい」とか「しごにち」のように、
連続した二つの数字を使って、大体の数を表す書き方です。

墨字(普通字)の場合、「にさんかい」なら、
2と3の間に読点を入れて、「2、3回」と書いたり、
間に波線を入れて、「2~3回」と書いたりします。
中点を使って、「2・3回」と書くこともあるかもしれません。

一方、点字のルールでは、
「数符、い、数符、う、か、い」と書くことになっています。
oyoso1.gif
二つの数字の間をあけず、続けて書きます。
間に数符が入るので、「にじゅうさん」ではありません。

22、3回(にじゅうにさんかい)ならば、
「数符、い、い、数符、う、か、い」。
oyoso2.gif
2~30回(にさんじっかい)ならば、
「数符、い、数符、う、ろ、か、い」
oyoso3.gif
となります。

ルール上は、上記のように書くのが「正解」です。
でも、かなり独特な書き方ですよね。

そのためか、墨字(普通字)と同じように、
読点を使って書いたり、
oyoso4.gif
波線を使って書いたりする方が、圧倒的に多いのです。
oyoso5.gif
※厳密に言えば間違いなので、画像の頭に三角印をつけました。

パソコンで点訳しても、上記の三角印付きの書き方になります。
それが「およその数」なのか、そうでないのか、
パソコンでは区別がつかないからでしょう。

ルールを守って点訳するのであれば、パソコンで変換したあとに、
「およその数」の部分だけ、人間が入力し直す事になります。

でも、私は、△の書き方は許容範囲じゃないかなと思っています。
現実に、上の「正しい書き方」の使用頻度が低いのなら、
むしろルールを現実に近づけるべきかもしれません。

by くろうーろん

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タグ:数字 点字

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